あくまでも私の主観と偏見に基づく文房具批評としてはじめる『超文具批評』
第3回目は、PELIKANのボールペン、No.1です。
実はこのボールペン、残念ながら廃盤になっていて入手するのは少し困難な品です。
1980年代からの定番商品ですが、今でもデザインは古さを感じさせません。
曲線の魔術師とも言われたデザイナーであるルイジ・コラーニが手がけたこのNo.1は、見事な流線を描き、その美しさに魅入ってしまう程です。
ただの安っぽいプラ製の販促用ボールペンに見える?
…いけませんね、まだ信心が足りないようです。
それではじっくりとNo.1たる所以を語りましょう。
評価指標は①使い心地②デザイン③持ちこなし
の3つで、5段階評価を行います。
①使い心地
⭐️⭐️⭐️⭐️
フォルムが妙に手に馴染む
このボールペンを持つと指が自然にあるべき場所に誘われます。
ペン先が三角形になっているボールペンは他にもありますが、このNo.1はただの三角形ではありません。
よく見ると親指と人差し指で挟む角が鋭角になっていたり、中指が下に入る面は少し丸みを帯びていたりと細かなこだわりがこの持ちやすさを実現しているのです。
写真では伝わりにくいので手に取れる機会があれば是非試してみて下さい。
書き心地は標準リフィルのPelikan 337Fについて言えば、悪くありませんが良くもありません。少し強めに書いた方がハッキリと色が出ます。逆に少し弱めに書くと途切れてしまいがちな印象です。
海外製のインクに対する印象、もうこれは日本の5G(第5世代ゲルインク)に慣れてしまった私たちの因果なのかもしれません。
②デザイン
⭐️⭐️⭐️⭐️
優秀
美しい曲線はルイジ・コラーニの真骨頂!
流線美だけでなく隠された遊び心にもデザインの良さを感じます。
どうですかこのペリカンヘッド
それとロゴもあります
そしてルイジ・コラーニのサイン
全てにおいて優れたデザインバランスを持ったボールペンです。
③持ちこなし
⭐️⭐️⭐️
良くも悪くも普通
デザインがシンプルな分、どんなステーショナリーや服装にも合わせられます。
ただどんな組み合わせにしても目立つほどのインパクトに欠けてしまうのでこの評価になりました。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
お高いボールペンが揃うペリカンの中でも異色の存在でありながらその名のとおり玉座に居座り続けたNo.1
今は玉座から退いたものの永遠の名筆として殿堂入りを果たしました。
もしこの記事を見てPELIKAN No.1を使いたいと思った方がいらっしゃったら、ステーショナリスト冥利に尽きるというものです。
それではまた次回の超文具批評でお会いしましょう。